尾っぽまでおいしい
刺し身でも塩焼きにしても、おいしいえび。揚げものにするなら天ぷらがお好みですか?それともフライ?アンケートでは、ほぼ3人に2人が「天ぷら派」でした。甲殻類のアレルギーの悩まされ、「えびは苦手」との声も少なからず寄せられました。
えび天か、えびフライか。
年齢を重ねて好みが変わることもあるようだ。「若い頃はえびフライ派だったが年をとって断然、天ぷら派になった。一緒に飲むのがビールから日本酒に変わったのも影響しているかもしれない」(香川、70歳男性)
そもそも「えびは高値の花だった」という回想が年配を中心に目立った。
「小さい頃、母親がよく天ぷらを揚げてくれたが、主に野菜。エビなどめったに食べさせてもらえなかった」(大阪、79歳男性)
えびはその時代、世界で最もカネのある都市に集まってきた。大英帝国が反映を極めた往時はロンドン、20世紀に入るとニューヨーク、日本の経済大国化とともに東京。バブル崩壊後の1997年に米国に首位の座を奪い返されるまで、日本は世界最大のエビの輸入国だった。
高度経済成長期に生まれた世代の場合、エビにまつわる追憶は趣が異なる。
「小学校入学前、誕生日に大好物のえびフライを母が作ってくれた。最後に食べるの、と宣言し、他のごちそうを食べているうちに満腹になってしまった。肝心の大好物が食べられず、泣きながら諦めた思い出があります」(長野、51歳女性)
どんな調味料で食べるか。天ぷらが天つゆ、フライはタルタルソースという定番がそれぞれ1位。もちろん、好みは人それぞれだ。