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2015.08.12更新

災害時、気象やカーナビ情報解析

 警備大手セコムの子会社で航空測量大手のパスコは災害時に通行止めになる恐れのある道路などを6時間前までに予測し、企業などに迂回路を教えるサービスを始めた。公的機関やカーナビゲーションシステムなどから大量の電子情報「ビッグデータ」を集めて独自理論で解析する。供給網(サプライチェーン)の維持や社員の安全確保などに役立ててもらう。

パスコ、企業向けサービス
安全な迂回路提案

 新サービスの名称は「DR-INFO(ディーアール・インフォ)」。顧客企業は事業拠点や取引先などの場所を専用システムの地図上を登録する。風水害などの際に登録地点周辺の道路の通行止めや土砂災害、下水道の氾濫、鉄道の運行規制などが発生する可能性の高い箇所について6時間前までに予測する。電子メールやシステムの画面上で担当者に伝える。
 予測の際は複数の情報を取得し、セコムのデータセンターも活用して分析する。基礎になるのが気象庁公開している雨量や風速、風向などのリアルタイムの気象予測データだ。このほかに国や自治体が土砂災害や地震、津波、洪水といった災害の危険地域を予測したハザードマップや地形などの情報も用いる。鉄道会社や高速道路会社などが速度規制や通行制限を設ける雨量や風速などのデータも保有しており、予測に活用する。
 実際の災害では被害が広がるなど事態は一刻一刻と変わりうる。そこでカーナビ情報をもとにした交通情報サービスから、車の通行実績データを取得。一定数以上の車が1時間前までに通行していれば問題なく走れる道路と判断し、迂回路として提案する。目的地までの安全な最短経路をはじき出し、遅配や二次災害を防ぐ。
 甚大な土砂災害や洪水などが発生した場合はパスコが航空機や人工衛星で撮影画像を企業に配信する。
 パスコはサービスの試験運用を繰り返してきた。例えば昨夏の台風の際には青森県内の幹線道路が通行止めになることを予測し、的中させた。昨秋には鉄道や道路の行止めなどを予測し、社員の早期帰宅につなげた。
 企業は通常、国や自治体、交通事業者などが発信する個別の情報をインターネットやテレビなどで集めて災害時の対応策を練っている。ただ、通行止めの可能性の高い道路などを予測するのは難しかった。
 平常時には企業はパスコが蓄積したハザードマップなどの情報を地図上で確認し、事業所の立地地域の自然災害地域リスクを把握できる。緊急対応のシュミレーションや事業継続計画(BCP)の策定などに生かすことができる。利用料金は情報を提供する地域の範囲によるが、標準価格は月額20万〜30万円程度だ。
 台風のほか局地的に大雨が襲うゲリラ豪雨も増えており、企業の防災意識は高まっている。導入を検討する企業向けに京都市内でセミナーを開くなど今年度は受注に力を入れる。製造業や物流業のほか、交通事業者、旅行会社、イベント会社などの利用を想定している。すでに部品メーカーや商社など導入を決めた企業が出始めたほか、官公庁からの引き合いもあるという。今後3年で100件の受注をめざす。

投稿者: 松村税務会計事務所

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