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2015.07.17更新

財務省検討、原本廃棄可能に
企業の保管費削減

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
 外回りの営業担当者などが会社に経費として請求するタクシー代などの領収書について、財務省は2016年中にも企業の保管義務を緩める検討に入った。領収書をスマートフォン(スマホ)やデジタルカメラで撮影して画像データを保管すれば、原本の破棄を認める方向だ。営業担当者にとっては経費請求の手間が省ける一方、企業も領収書の管理や保管にかかわる負担を軽減できる。
 規制を緩める対象となるのはタクシー代のほか、接待に使った飲食代、業務にかかわる書籍代などの領収書。財務省は不正の防止策を経済界と詰めた上で、今秋にも16年度の税制改正を決める与党税制調査会に提案。来年中の省令改正をめざす。
 現在、企業は領収書の原本かスキャナーで読み取った画像のデータを7年間保存する義務がある。スキャナー利用は3万円未満の領収書に限り認められているが、今春まとまった15年度の税制改正を受け、今年9月からは3万円以上の領収書も認められる運びだ。
 それでも経済界には使える機器がスキャナーに限定されていることへの不満が強い。営業担当者などがデータ読み取りのため、わざわざ事務所に戻る必要があるほか、スキャナーの設置費もかさむためだ。結果として、企業の多くは原本をそのまま保管している。
 外回りの営業担当者から大量の領収書が集まる野村ホールディングスの場合、「年間で億単位の物流・保管コストがかかる」といい、企業負担は少なくない。そこで財務省はスマホなどを使って取り込んだ領収書についても金額にかかわらず認める検討に入った。認められれば営業担当者が撮影した領収書の画像データを、出先から本社の経理部門に直接送るなどの効率化が期待できる。
 ただ、手軽に撮影ができるスマホの利用を認めると、同じ領収書で経費を二重請求するといった不正が起きやすいとの声もる。手ブレで領収書の画像が不鮮明になるなどの問題も指摘される。財務省は今後、産業界と対応策を詰める予定だ。
 スマホでのデータ保存に企業の期待は大きい。企業の経理担当者らでつくる日本CFO協会(東京・千代田)が今年初めてにかけて行ったアンケート調査では、経理担当者700人余りのうち、62%がスマホやデジカメで領収書を撮影した場合も原本の破棄を認めてほしいと答えている。
 経団連によると、国内企業が領収書などの税務書類を保管する費用は年間3千億円に上る。今回の制度見直しが実現すれば大幅な経費の削減が見込まれ、企業の競争力向上にも役立つ。
 米国や韓国などは税務書類の電子保存を広く認めており、日本は遅れが目立っていた。

投稿者: 松村税務会計事務所

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