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2015.05.18更新

「山鳴りがする」「土臭い」

 「山鳴りがする」「渓流が急に濁りだした」_。ツイッターでのこうしたつぶやきから土砂災害の前兆を把握し、自治体による避難指示の判断や被害予測に役立てようという研究が、国土交通省で進められている。同省は「早く的確な避難指示につながれば」と期待を寄せている。
 同省によると、土砂災害は年間1000件程度発生。死者や行方不明者は、大地震や大津波をのぞくと、自然災害による犠牲者の約4割を占めるという。
 土砂災害は限られた地域で起き、時間を置いて少し離れた場所でも起きるケースが多い。そのため自治体は、避難指示を出すタイミングや地域を判断したり、発生箇所をリアルタイムで把握したりすることが難しかった。
 同省国土技術政策総合研究所(茨城県つくば市)の国友優・土砂災害研究室長は「地鳴りなどの前兆現象が起きていると分かれば非難や警戒に大きく役立つのに、これまでは自治体がそれを把握する手段がなかった。大勢の人が見たり感じたりしたままを書き込む、つぶやきをを生かせないかと考えた」と語る。昨夏から民間の研究所と共同で研究を始めた。
 2012年7月の九州北部豪雨で大きな被害が出た熊本県の阿蘇地域を対象に、当時のつぶやきを分析した。集中的な土石流が起きた前後の20時間で、県内から投稿されたとみられるつぶやきは約18万件。このうち約4100件に「大雨」「豪雨」「土砂降り」が、約600件に「土砂崩れ」「土石流」が含まれていた。土石流が集中する2時間前にはすでに、阿蘇市周辺で「土砂崩れなう」と写真付きの投稿もあった。
 昨年8月の広島市の土砂災害でも、消防が災害発生を知る30分以上前から、「川を石がごろごろ転がるときみたいな音がずっとしている」など、前兆のようなつぶやきが複数投稿されていた。
 同研究所はこうしたつぶやきを、雨量のデータと重ね合わせた地図とともに、パソコン上に表示するシステムの開発を目指している。抽出するキーワードには「大雨」「土砂崩れ」などの自然現象、「地響き」「土くさい」といった前兆現象に加え、「やばい」「こんなの初めて」など不安を示す言葉も加えた。
 昨年7月の長野県南木曽町の土砂災害では、土石流を示す「蛇ぬけ」や、白く見えるほど強く降る「白い雨」など地域特有の表現も多く使われた。全国に残るこうした表現も調べ、抽出ワードに加える。15年度末までに研究を終え、実用化を目指すという。

投稿者: 松村税務会計事務所

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