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2015.04.15更新

15人枠に60人

 学生マンションは、オフィスや飲食店、一般マンションなどが入る高層ビル2棟のうち1棟の14〜15階にある。約20平方メートルのワンルーム型が36室。家賃は月7万5千円(管理費込み)で、地元不動産業者によれば、「相場の7割ほど」の安さだ。
 大手の安田不動産を中心とした再開発の一環。「街づくりに役立つ施設」として住民らの交流室や防災設備などとともに「学生の地域貢献」も盛り込み、「都市再開発特区」として都に認められた。容積率が最大515%から990%に緩和されたことで、格安の家賃が実現できた。
 貸主の同社によると、昨年12月の説明会には約100人が来場。15人の新規入居者枠に対し60人から応募があり、町会長らが面接し、地域活動への意欲などで選んだ。入居者は地方出身者が大半で、専攻は芸術系を含めて様々という。
 2年間で計42人が住み、「退去」は1人だけ。安田不動産の松本久美さんは「安い家賃と立地。そして、住民に顔と名前を覚えられるような、珍しい学生生活が魅力なのでは」と話す。

大学が多い街

 地域密着型の学生マンションをつくるきっかけは、1993年の区立小学校統廃合だった。118年続いた学校の跡地を含む一帯の再開発について町会や地主の安田不動産、区などが協議。「学校に代わる拠点に」「防災設備を」「学生の住む街にしたい」という要望が出た。
 19の大学・短大がある千代田区は全国有数の学生街だ。しかし、区の統計によると、20〜24歳人口の割合は69年の18%から昨年は5%に減少。少子化に加え、再開発による下宿先の減少や家賃高騰が背景にある。「大学が多い特性を街づくりに生かそう」という発想が原点になった。
 「学生のやんちゃさや初々しさ。間違いなく元気をもらっている」と町会長の呉豊良さん(74)は喜ぶ。神田で約60年前に開いた中華料理店の2代目。一帯の人口は45年間で4割に減り、空き家や落書き、ゴミの不法投棄も目立つ街が心配だった。一昨年の神田祭で、町会の会合に「ただいま!」と戻ってくる学生の姿がうれしかったという。
 隣町の町会長として一帯の再開発に関わった「かんだやぶそば」4代目店主、堀田康彦さん(70)は今後を見据える。学生が地域の子供に勉強を教えたり、街づくりの会合に加わったり・・・・。もっと地域と交わる姿を思い描き、その先に街の新たな「ブランド」をみる。「祭りや町会で街づくりを学んだ学生たちが各地で活躍し、神田に育てられた、と話してくれれば、神田はより注目される街になりますよ」

投稿者: 松村税務会計事務所

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