所長ブログ

tel_sp.png
メールでのお問い合わせ

2014.12.26更新

運行1年
2割リピーターに、倍率30倍

 九州を巡るJR九州の豪華寝台列車「ななつ星」が運行開始1周年を迎えた。2人で最高150万円という破格の利用料金だが、裕福な高齢者を中心に申し込みが殺到し、今なお人気は衰えない。成功にあやかろうと、他のJR各社も今後、同様の列車を運行する計画だ。

1周年の記念式典を終え、「ななつ星」が汽笛を鳴らしながら博多駅を離れた。ワインレッドの客車に乗り込んだのは、英国とタイからの3人を含む29人。すべてのグループがスイートの個室を利用する。千葉県から来た鈴木賢一さん(62)は「一生に一回乗れるかどうかなので、どきどきしている」と話した。
 豪華列車の料金は、3泊4日の2人利用で最高150万円。当初は一部の富裕層向けとみられていたが、今も定員の30倍以上希望者が集まる。1度乗った人の2割が再び申し込むという。
 利用者はのべ2601人で、平均年齢は65歳。退職金などまとまった収入を得た団塊世代の高齢者が多く利用しているようだ。
 
 「ななつ星」の構想は、JR九州の唐池恒二会長が2009年の社長就任後、「早いだけでなくゆっくり周遊する列車も必要だ」と、社内の反対を押し切って実現させた。
 唐池会長は列車を見送りながら、「沿線で手を振ってもらうなど九州の皆さんに歓迎してもらい、感謝している」と話した。

他社も計画海外客誘致に力

 JR九州の成功をみて、他社も豪華列車の計画を進めている。
 JR東日本は、全室スイートルームの列車を17年春から運行し、東日本だけでなく、将来は全国を周遊させる。JR西日本も17年春から日本海を巡る豪華寝台列車を走らせる。
 一方、先行するJR九州は、外国人客に力を入れる。14部屋のうち3部屋は外国人専用にし予約を取りやすくしているほか、海外の旅行業者やメディアへの売り込みも進める。
 ただ、海外での知名度はまだいまひとつだ。外国人客の申し込みの抽選倍率は1〜2倍程度と、国内客の30倍超より低い。
 運行コストもかさむ。停車駅から周遊する観光バスや、機関車の燃料費、豪華な車両の維持コストがかかる。16年度の株式上場をめざすJR九州は「豪華列車の収支を赤字にはできない」〈幹部)とすでに3回の値上げを発表した。競争が激しくなれば、収支が厳しくなりかねない。
  

投稿者: 松村税務会計事務所

SEARCH

CATEGORY

HOME
メールでのお問い合わせ 営業時間 9:00~17:30 定休日 土日・祝日 土日・祝日時間外予約可