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2014.12.10更新

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
 65歳を過ぎても夫婦で働く「共稼ぎシニア」が増えている。総務省の労働力調査によると、2014年4〜6月の共稼ぎシニア(農林業を除く)は前年同期比11.9%増の66万世帯となり、過去最高を更新した。元気なシニアが増えているうえ、人で不足の起業が高齢者の雇用を増やしているためだ。高齢者の懐が潤えば、個人消費の下支えにつながる。年金財政改善などの効果もありそうだ。
 夫婦ともに働いている世帯のうち妻が65〜74歳の世帯を調べた。共稼ぎシニアはこの10年で30万世帯近く増えた。シニア夫婦8世帯に1世帯が共働きの計算となる。
 共稼ぎ世帯が増えた主因は、働くシニア女性の増加だ。高齢化に伴い65歳以上の就業者は前年同期から7.7%増えたが、女性の伸びが9.8%と男性の6.6%を大きく上回る。特に介護、製造業、流通業など人手不足が深刻な業種で女性の就労増が目立つ。
 老人ホーム運営大手のメッセージは4月、65歳の定年制を廃止した。女性を中心に経験豊かなベテランを囲い込む狙いだ。介護サービス業では1人の求職者を2社が奪い合っている。高齢の入居者をシニア職員が世話する「老々介護」が老人ホームの現場で増えそうだ。
 製造業もシニア女性を活用する動きが広がっている。電源機器などをつくる山菱電気(徳島市)は現在135人の従業員のうち16人が65歳以上。うち10人が女性で毎年1人のペースで増やしている。「女性ならではの細やかな作業が機会の組み立てに向いている」(同社)。最高齢は73歳だ。
 政府は25年までにすべての企業が従業員を65歳まで雇用するよう義務づける。サントリーホールディングスが13年から定年を65歳まで引き上げるなど、雇用延長を先取りする企業が多い。男性が同じ職場で働き続ける一方、女性が新たな職場で働くケースが多いとみられる。
 シニア側の意識の変化も大きい。労働政策研究・研修機構が実施した55歳以上を対象とする調査によると、65歳以降も働きたいとの回答は58%にのぼった。その半分は「年齢に関係なくいつまでも働きたい」と生涯現役を目指す。
 将来の不安も残る。同機構の調査では、働き続ける理由(複数回答)は「経済的な理由」が73%と、2位の「生きがい、社会参加」(22%)を大きく上回った。足元では物価が上がっているほか、来年4月からは公的年金の支給抑制も始まる。寿命が長くなった分、先行きの生活への不安も大きい。
 日本の働き手(労働人口)は年50万人ペースで減り、2025年には焼く6000万人になる見通し。働く高齢者が増えれば、働き手の減少に伴う成長の下振れを抑える効果がある。
 シニア層を中心に共稼ぎが増えれば、足元で低迷する個人消費を押し上げる面もありそうだ。総務省の調査によると、共稼ぎ世帯の消費支出は月33万9000円と、専業主婦世帯より8.7%多い。夫婦で働くシニアが増えれば、「収入が増える一方で時間が無くなり、外食や家事代行サービスの利用が増えそうだ」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)。
 厳しい年金財政の改善にもつながる。一定の基準を満たす会社員は、70歳まで厚生年金の保険料を納めることになる。高齢者が社会保障給付を受ける側から支える側に回れば、現役世代の負担を和らげる効果もありそうだ。

投稿者: 松村税務会計事務所

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