「業務見直し」46%
日本経済新聞社がまとめた社長100人アンケートで、人手不足への対応として「業務内容の見直し」を挙げた経営者が46.9%で最多だった。労働力人口の減少などを背景に幅広い業種で人手不足感が強まっている。女性やシニアらも働きやすい職場環境をつくり、労働力を確保する動きがさらに広がりそうだ。
人手不足への対策を複数回答で聞いた。製造業の生産現場などでは業務内容を見直し、若い男性だけでなく、女性やシニアら多様な人材が活躍できるようにする取り組みが進んでいる。アイシン精機は工場に従来よりも軽い手押し車を用意し、女性が作業道具を運びやすくしている。
「中途採用の拡大」が43.4%、「新採用の拡大」が31.0%で続いた。企業は成長を目指して海外市場の開拓や新規事業の創出に力を入れている。業務内容の見直しやロボット導入などによる生産性向上とあわせ、一定人数を確保しようとする姿勢がうかがえる。対策として「賃上げ」を挙げる経営者は10.3%にとどまった。
政府が実現に向けて動きだした。同じ仕事なら同じ賃金を払う。「同一労働同一賃金」に対する見解も尋ねた。「何とも言えない」が66.2%にのぼり、「賛成」「どちらかと言えば賛成」の合計22.0%、「反対」「どちらかといえば反対」の同3.5%を大きく上回った。
同一労働同一賃金の導入は正社員・非正規社員間の待遇格差の是正につながる半面、企業全体の人件費を増やす可能性もある。政府での議論は始まったばかりで、効果や影響を測りかねている企業が多い。「定義が曖昧で是非の判断が難しい」(機械メーカー)などの意見が出ている。
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