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2014.07.11更新

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
 コンビニエンスストア各社が、宅配や健康志向など中高年の目線でサービス・商品の開発を急いでいる。東京・豊洲に国内初のコンビニが開店してから40年。「若者の店」からシニア世代に対応した店へ、コンビニも「円熟」しつつある。

 「今日はハンバーグですよ」。東京・西荻窪の住宅街。セブンイレブン杉並桃井4丁目店のオーナー、目黒宏則さん(52)が日替わり惣菜(税込み510円)の袋を手渡す。人工透析を受ける夫(88)の介護をする女性は「カロリー計算しなくて助かる」とほぼ毎日利用する
 目黒さんは電気自動車で約15軒を昼と夕方に回る。世間話をし、欲しい商品があると聞けば届ける。「今日もありがとう、の声がうれしい。心は、サザエさん、のサブちゃんですね」
 セブンは2012年に配食サービスに本格的に乗り出し、全店舗の8割、約1.3万店で提供している。利用者の6割は60歳以上、13年度の売り上げは250億円と前年比倍増した。注文を聞いて届ける「商品宅配」は800店で実施、まさに「御用聞き」の復活だ。コンビニ草創期、転職を考える酒店や米店のオーナーを「今度はお客が向こうから来てくれますよ」と説得したが、先祖返りした格好だ。
 深夜でも買い物できるコンビニは「若い男性」を主顧客として成長してきた。高齢化などで状況は一変し、セブンの場合、20年前は20代の来客が6割だったが、11年には3割に縮小。逆に50歳以上は1割から3割に拡大した。セブンは弁当など「即食」商品が中心の品ぞろえから、シニアのニーズに合わせ、小分け惣菜や加工食品を大幅拡大している。
 ローソンはシニアの関心が高い「健康」を全面に打ち出す。昨年は低糖質のパンが大ヒット。16年度には食品の25%は健康志向の商品に切り替える計画で、今年2月からは生鮮品を充実させた新店舗「ローソンマート」を展開する。
 各社が対応を急ぐ背景には、二つの変化がある。
 一つは、東日本大震災後のシニアの消費の変化だ。首都圏でも商品供給が混乱するなか、物流に強みを持つコンビニの回復は早く「買い物に困ったシニア層が、身近な店、としてコンビニを発見し、来客が増えた」(ファミリーマート)。この商機を逃さずリピート客を取り込もうという作戦だ。
 加えてビックデータの活用が進んだことだ。ポイントカードなどの普及で、従来のPOS(販売時点情報管理)よりきめ細かく、年齢・性別などを含めた消費行動が浮かび上がってきた。こうしたデータを使い、ファミリーマートはシニアの生活様式や感性に合うプライベートブランド(PB)開発に力を入れる。スイーツの7割近くは男性が買う、シニアはチョコが好き_。「常識からズレた」データから、素材にこだわった菓子「おとなのおやつ」シリーズを生み出した。調剤薬局との融合店出店などを進め、今春からは小容量の冷凍食品の販売をしている。
 ローソンも、シニア女性のリピート買いが多い「サバの味噌煮」など「販売数は少なくても切らしてはいけない商品」群を絞り込む。
 百貨店やスーパーが苦戦するなか、コンビニは成長を続け10兆円市場は目前。店舗は「飽和点」とされた約5万店に達したが、出店意欲は衰えない。高成長の原動力は「変化への対応」(セブン)。シニア戦略もその延長上にある。

投稿者: 松村税務会計事務所

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