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2014.04.09更新

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
 生まれ故郷や応援したい地方自治体に寄付することで住民税などの納付が減る「ふるさと納税」が人気だ。寄付した自治体からお礼に肉や魚といった特産品をもらえるため、生活費が浮くからだ。ただ、本来の目的は、都市に集まる税収を地方に再配分すること。特産品目当ての小口の寄付が中心になり、税収格差をならす効果は上がっていない。
 ふるさと納税は都道府県や市町村を選んで寄付する。領収書を添えて確定申告をすれば、寄付の合計額のうち2千円を超える分が住民税と所得税から差し引かれる。
 たとえば3万円を寄付すると、住民税と所得税が2万8千円減る。2千円の自己負担は必要だが、居住地の自治体や国に納税する代わりに応援したい自治体に寄付すればいいという仕組みだ。
税の控除を受けられる寄付額には上限があり、年収500万円の独身者だと3万4千円を超えた分の寄付は対象外になる。
 総務省の調査では、制度を導入した2008年に5万4004件(一部の災害義捐金を除く)だった個人の自治体への寄付件数が12年に2.3倍の12万1858件まで増えた。一方、寄付額は77億円から96億円へ25%の増加にとどまった。1件当たりの平均寄付額は14万2582円から7万8780円に減った。13年の寄付は未集計だが、小口化が続いたようだ。
 金額が伸びないのは特産品目当ての寄付が多いためだ。1万円以上寄付すれば5千円程度の特産品で応える自治体が多く、自己負担の2千円は簡単に回収できる。寄付が高額でも変わらないところが多く1万円の寄付が増えやすい。
 ふるさと納税の提唱者は秋田出身の菅義偉官房長官だ。総務相時代、「故郷に恩返ししたいという要望は強い」と導入を提案した。制度の導入には都市と地方の税収格差をならす狙いがあった。
 自治体は多くの寄付を集めようとこぞって特産品を配りだしたが、特産品による勧誘は大口の寄付につながらなかった。
 40兆円近い地方税収(国税譲与分を含む)の規模に対してふるさと納税は100億円に満たない。
 総務省は「ふるさと納税を税収格差の是正策ではなく、地場産業の活性化や観光振興のルーツととらえる自治体が多い」と分析する。1万円の寄付に対して20キログラムのコメを送る長野県阿南町は「寄付金で農家からコメを買い取り、農家の経営を支えるとともに町内産米を全国にPRしている」と説明している。

豪華な特産品で人気を集める主な自治体
・山形県尾花沢市
〜尾花沢牛のステーキ肉や地元産のスイカなど約30種から一つ
・岐阜県各務原市
〜しゃぶしゃぶ用の美濃ヘルシーポークなど約60種から一つ
・奈良県大和郡山市
〜金魚の飼育セットや湯のみなどから選べる
・鳥取県境港市
〜ノドクロやイカの干物詰め合わせなどやく40種から一つ
・愛媛県宇和島市
〜真珠ペンダントやミカンなどから選べる

投稿者: 松村税務会計事務所

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