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2014.03.20更新

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
 消費税率は、平成26年4月1日(以下施行日)から「8%」に引き上げられましたが、施行日以後の消費税の処理において、様々な誤解があることから、国税庁は平成26年1月にQ&Aを発表して特に誤りやすい事項について具体的に注意しています。

1 仕入先(出荷基準)が施行日前に出荷した商品を施行日後に検収すると旧税率になる
 A社はB社から商品を仕入れています。A社は、仕入れて納品された商品を検収した日に仕入れを計上(検収基準)していますが、B社は商品を出荷した時点で売り上げを計上(出荷基準)しています。
 例えば、A社の発注商品を、B社が平成26年3月28日に出荷し、A社で同年4月2日に検収基準で仕入れ計上する場合、A社は検収基準のため、新税率(8%)を適用して処理することになるのでしょうか?
 ・適用税率は?
  この場合、B社がA社に対して施行日前に資産の譲渡等を行ったことになり、出荷基準のB社からの請求書は
  旧税率(5%)になります。したがってA社でも旧税率の5%で仕入れ税額控除の計算を行うことになります。

2 月ごとに完了する保守サービスで施行日をまたいで終了する分は新税率を適用
 C社は、コピー機の保守サービスを年間契約(月額△△円)でD社に依頼しています。D社に依頼しています。D
 社は、保守サービスについて、月ごと(20日締め)に作業報告書を作成し、保守料金をC社に請求しています。
 この場合、施行日をまたぐ平成26年3月21日から同年4月20日までの保守サービスについては、適用される        
 消費税率はどうなりますか?
 ・適用税率は?
  この場合の保守サービスの契約は、サービスの提供が月ごとに完了するものと考えられます。
  したがって、平成26年3月21日から同年4月20日までの保守サービスの提供については、そのサービス提
  供につては、そのサービス提供が完了した日である4月20日時点の税率8%が適用されることになります。

3 「4月分」の前家賃には新税率を適用(経過措置が適用される賃貸借契約を除く)
 E社は、ビルの一室を借りています。賃借料とともに消費税も支払っていますが、施行日以後の消費税率はどう
 なるのでしょうか。
 ・適用税率は?
  下記の経過措置適用の用件を満たしている場合意外は、平成26年4月分、すなわち施行日以後の資産の対
  価として支払うものなので、前月の3月に支払っても新税率(8%)が適用されます。
   ただし当月分を翌月末に支払う「後家賃」については、平成26年3月分、すなわち施行日前の資産の貸付の 
  対価ですので、その支払日が施行日以後の4月であっても旧税率(5%)が適用されます。

   賃貸借で施行日以後も旧税率でもよい条件(経過措置の適用条件)
   平成8年10月1日〜同25年9月30日の間に結んだ賃貸借契約に基づいて、施行日前から同日以後引き続
   き賃貸を行っている場合で、次の要件の1と2、または1と3を満たす必要があります。
   1 賃貸期間とその期間中の賃借料の額が定められていること
   2 賃貸料の変更を求めることができる旨の定めがないこと
   3 解約の申し入れをすることができる旨の定めがなく、契約期間中の賃貸料の合計額がその建物の取得に
     要した費用の額等の90%以上であること
  

投稿者: 松村税務会計事務所

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