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2014.03.12更新

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
家事代行サービスの事業領域が広がっている。これまで家事代行と言えば部屋の掃除が一般的だったが、害虫駆除など掃除以外のサービスを打ち出す企業が増えている。単身世帯の増加や高齢化の進展などに伴って、利用者のニーズが多様化していることが背景にある。市場が拡大する中で異業種からの参入も相次いでおり、サービス競争は激しさを増している。
 長谷川興産(東京・豊島)は春から墓の掃除(1万8900円〜)やゴキブリなどの害虫駆除(2万1千円〜)のサービスの提供を始めた。同社は「おそうじ本舗」という名称で、部屋や浴槽を掃除する家事代行サービスを提供している。おそうじ本舗は主にフランチャイズチェーン(FC)店で運営しており、全国の店舗数は1200を超える。
 新しいサービスは、掃除代行よりも需要が低いが、固定客などが必要に応じて頼むオプションのサービスとしての需要を見込む。
 ミニメイド・サービス(東京・渋谷)は今月から、高齢者に付き添うサービスをFC店で始めた。買い物や食事にスタッフが付き添うもので「直営店で始めたサービスが好評だったため全国展開に踏み切る」(オーキン浩子常務取締役)という。
 家事代行各社がサービス拡充に動く背景には、利用者の家族構成の変化がある。総務省の調査によると2000年に27.6%だった単身世帯の割合は、10年には約5ポイント上昇して32.4%になった。なかでも65歳以上の高齢者の単身世帯は全世帯の1割近くを占める。野村総合研究所の武田佳奈主任コンサルタントは「一人で住む高齢者が増えていることで、消費者の需要は一層多様化している」と指摘する。
 顧客を囲い込むためにサービスを拡充する動きもある。イオングループのカジタク(東京・中央)は、顧客が掃除してほしい場所をより細かく指定できるサービスを始めた。新サービスでは顧客が部屋の「照明家具」や「床」など「掃除する場所を約200項目からピンポイントで選べる」(楠見敦美取締役)という。
 家事代行を利用する人は増えている。家事代行業者の繁忙期である年末の利用者数は、長谷川興産やカジタクのほか、業界首位のダスキンでも過去最高を見込む。民間調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によると、12年度の市場規模は980億円と前年度に比べて20.8%増えた。
 数少ない成長市場に異業種からの参入も相次いでいる。東京急行電鉄は12年11月に参入し、神奈川県内で庭の手入れなどのサービスを開始。昨年4月には東京都内にも提供地域を広げた。西日本鉄道も参入し、エアコン掃除などのサービスを提供する。10年後には20ヵ所に店舗網を広げる計画だ。
 競争が激しくなるなか、サービスのメニュー以上に重要になってくるのがスタッフの技術力だ。家事代行サービスは車などの製品と異なり、派遣するスタッフの技術の差が顧客満足度に直結しやすい。1回の利用では利益はほとんどあがらず、定期契約を結ぶ固定客の多さが成長力につながる。今後はスタッフの教育に力を入れる企業間で成長力に差がでそうだ。

投稿者: 松村税務会計事務所

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