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2013.11.20更新

白亜の洋館、緑深い庭園、重厚な門扉の中はまさに異国_。都心の一等地に立つ各国の大使館が、その庭や公邸の魅力をフル活用して自国産業や製品のPRにしのぎを削っている。パーティ外交の背後に隠された「商品を武器にした熱い戦い」の模様を実況中継します。

公邸、庭園・・・総動員

残暑が厳しい8月末、皇居を望む英国の大使公邸(東京都千代田区一番町)。青々とした芝生の庭では、招待客が英国の夏の定番カクテル、ピムスを楽しんでいた。スコットランド産サーモン、ローストビーフと、様々な英国伝統料理が並ぶ。
 ティム・ヒッチンズ駐日大使は「英国料理のイメージを刷新したい」とあいさつし、「おいしいイギリス」キャンペーン開始を宣言した。東京ビックサイトや百貨店でのフェア、テレビの特集番組や人気料理サイト「クックパット」での展開といったイベントが半年も続く。
 この公邸では4月から40件以上のビジネスイベントが開かれてきた。ファッションショーからヘルスケア、科学技術まで分野は広い。「公邸は大使の住まいである一方、英国の様々な魅力を知ってもらえる、強み、でもある」(広報部)。経済外交の推進を掲げるキャメロン政権が2010年に発足し、こうした取り組みに拍車がかかっているようだ。
 東京タワーにほど近い、長崎の出島をかたどった建物が特徴的なオランダ大使館(港区芝公園)。こちらも公邸やチューリップで有名な庭を使って、時刻のビジネス関連イベントをほぼ毎週開いている。8月には世界的なシェアを持つマネキン会社が、庭やプールに数多くのマネキンを展示、日本のファッションや流通の業界関係者らを幅広く招待した。
 自転車ラリー(4月)、デザイン・ナイト(6月)、家具の展示会(11月)と、業種はやはり多彩。「公邸に来てオランダのことをもっと知りたくなった、新しい取引先と知り合えた、と好評です」とメレイ・ワグナー経済部参事官。
 東宮御所の向かいに立つカナダ大使館(港区赤坂)も、五つの貸しスペースや233席の劇場、ギャラリーなどの充実した施設を活用し産業支援に努めている。昨年は約500件のイベントを開催、映画産業や音楽業界が日本市場参入の足がかりにし、成約にいたる例も目立つ。ローリー・ピーターズ広報部長は「カナダのブランド力は強くないが、イベントに大使館や公邸を使うことで、より大きなインパクトを与えることができる。本国政府や企業のトップが、日本の政財界の重要人物と効率よく交流できる貴重な場」と話す。
 フランス大使館(港区南麻布)では09年の建て替えに合わせて、以前は外部にあった経済部や起業振興部が本館へ異動。風光明媚な庭園がある公邸で、化粧品やファッション、菓子といった自国産業のPRイベントが増えた。フランス産ワインを目当てに訪れる招待客も少なくない。
 旧松山藩の中屋敷跡地に立つイタリア大使館(港区三田)でも、オペラ公演から宝飾ブランド、車、ワインまで公邸でのレセプションが連日続く。アメリカ大使館(港区赤坂)も公邸をビジネスセミナーや映画の制作発表会などに開放している。

投稿者: 松村税務会計事務所

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