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2013.06.13更新

こんにちは北区王子の税理士松村憲です
 消費税の税率は平成26年4月から8%、その1年半後の平成27年10月から10%と2段階の引き上げが実施される予定です。税率引き上げに伴い一定のものについては、経過措置が受けられる場合があります。今回は、請負契約の経過措置についてです。

工事や製造などの請負契約についての経過措置
(1)契約日に注意しましょう!
 請負契約においては、消費税率の引き上げに伴い、平成26年4月1日(施工日)以後に引き渡した場合は、原則として、増税後の税率が適用されます。
 ただし、特定の取引については、施工日の半年前となる指定日(平成25年10月1日)の前日までに契約した場合、5%の税率が適用される経過措置がありますので、契約日に注意が必要です。
(2)対象となる請負契約の範囲
 請負契約というと、建築工事等をイメージしがちですが、完成までに長期間を要する次の契約も対象となります。
~対象となる請負契約の範囲
・工事の請負に係る契約
・製造の請負に係る契約
・測量、地質調査、映画の製作、ソフトウェアの開発、その他(修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、検査検定の事務処理、市場調査)の請負に係る契約
(3)新税率(8%)の適用と経過措置
 1 原則
 請負契約による代金の消費税額は、原則として引渡し時の税率で計算します。そのため、引渡しが平成26年4月1日(施工日)以後であれば、8%の税率が適用されます。
 2 経過措置
 平成25年9月30日までに契約した場合には、引渡しが平成26年4月1日以後であっても5%の税率が適用されます。
 3 追加工事によって契約金額が増額したとき
 平成25年9月30日までに契約した場合でも、10月1日以後に工事等が追加されたことで、当初の契約金額よりも増加してしまった場合には、増額分(当初の契約金額を超えた分)の金額については、8%の税率が適用されます。
 4 契約の相手方への書面での通知が必要
 経過措置の適用を受けるためには、契約の相手方に「5%の税率の適用を受けた」旨を書面(契約書、請求書)で通知する必要があります。
(4)その他、実務上の注意点
 1 小規模工事において、3月末完成が4月以後に延びた場合
 大工,左官、電気、塗装などの小規模工事であれば平成25年10月1日以後の契約であっても、税率は5%に
 なります。
 しかし、何らかの事情で工事が延びて、引渡しが平成26年4月1日以後になってしまうと、8%の税率が適用さ 
 れることになります。
 このような、もしもの場合に備えて、契約書類等には「引渡しが4月以後になる場合は8%の税率が適用される」
 旨の一文を加えておきましょう。
 2 受注した工事を下請け会社に発注する場合
 経過措置は、発注者との契約についてだけではなく、建築業者とその下請業者との請負契約につぃても当然、
 適用されます。
  しかし、平成25年9月末間際になって、発注者と建築業者が請負契約を締結したため、この建築業者と下請
 
 業者との請負契約の締結が10月1日以後になってしまった場合には、建築業者の発注者への売上には5%の
 税率、下請業者への外注費には8%の税率が適用されます。
 3 マンション等の購入は請負契約か?
 一般的な分譲マンションの購入は、請負契約ではなく資産の譲渡契約となるため、請負契約の経過措置は適用
 されません。
 しかし、建売住宅やマンション等の譲渡契約であっても、建物の内装・外装・設備などに注文工事がある場合には、請負の経過措置の適用対象になります。この場合、注文工事であることを譲渡契約書等において明らかにするなどしておきましょう。


投稿者: 松村税務会計事務所

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