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2013.04.10更新

東京都,北区で税理士をしております、松村憲です。
金融機関が決算書や経営計画に求めるものについてのQアンドAです。
金融機関が、中小企業への融資や貸し付け条件の変更などを行う際、提出される決算書や経営計画に何を求めているのでしょうか。
ある金融機関の融資担当部門に、その本音を聞いてみました

決算書では、資産の状態、本当の価値を確認する

Q1 融資判断にあたって、企業をどのように評価しているのでしょうか。

A1 融資判断の基本として、その企業の格付(自己査定)を行っています。
まず、お客様から提出していただいた決算書の数値に基づいて評価する定量的分析を行います。
 この定量的分析をベースにして定性的分析を加味します。
定性的分析では、定量的分析には表れていない、その企業の強みとして将来的に定量的要因が改善される要因を評価します。
以上の分析方法は、金融庁の「金融検査マニュアル」に基づいています。

定量的分析項目、定性的分析項目の一例
 定量的分析項目
 ・流動比率 ・固定比率 ・自己資本比率 ・総資産経常利益率
 ・ギアリング比率(有利子負債÷自己資本)
 ・売上高 ・キャッシュフロー額 ・債務償還年数  等々
定性的分析項目
 ・技術力 ・営業力、販売力 ・経営基盤
 ・経営者の個人資産 ・親会社の存在 
 ・経営者の資質

Q2 決算書につぃては、具体的にどのような点を見ているのでしょうか。

A2 金融機関の自己査定の中で、決算書の数値が正しいかどうかを確認していきます。
例えば、資本金や借入金、売掛金などの本当の価値はいくらなのか、不良債権が含まれていないかなどを確認します。
このような不良債権の有無のチェックが、一番大きな作業になります。要するに、債務超過の有無を確認しています。
特に増減の激しい項目については、その理由をお聞きします。未払金や仮払金は、特に注意しています。

金融機関による資産評価の一例
1 売掛金の例
 売掛金の回転期間が同業種平均と比べて異様に長いような場合、実際には回収できない債権が含まれているのではないかと疑います。経営者に理由をお聞きした結果、資産性なしと判断することもあります。
2 土地・建物などの固定資産の例
 固定資産は、必ず時価評価します。また減価償却がされていない資産は、償却し直して、償却分は収益からマイナスします。
3 仮払金
 仮払金は、その内容を確認し、将来的に会社に返ってくるものでなければ、資産価値はないと判断することもあります。

決算書と翌月の試算表を比較すると、整合性が合わない項目が見つかります。よく調べてみると、実際は不良資産だったりします。
 また、勘定科目内訳書を3期分比較して、同じ数値が並ぶ項目があると、不良資産の可能性を疑います。







投稿者: 松村税務会計事務所

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